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ICODEとISO 15693

パスワードと保護のツールにはSLIX2、標準的なタグ操作にはSLIまたはSLIX、アクセス可能なメモリの調査には該当するISO 15693プロファイルを選びます。

概要

ここで扱うのは、ISO 15693とSL2S2602(ICODE SLIX2)のNXP独自コマンドです。メモリは4バイトのブロック80個で、ブロック79はカウンターです。用途別に4つのパスワードを持ち、NTAGにはない店舗向け機能も備えています。

ICODE SLIまたはSLIXのプロファイルには、「書き込み」「消去とフォーマット」「EAS」「AFIとDSFID」と、恒久的な標準の「ブロックをロック」があります。SLIX2の「タグのパスワード」「ページを保護」「保護設定をロック」はありません。その他のICODEとISO 15693のプロファイルには、情報の調査、「書き込み」「消去とフォーマット」「ブロックを編集」、ブロックのロック用の「保護」、「AFIとDSFID」、Rawコマンドがあります。

ICODEのツールメニュー

書き込み、消去、フォーマット

「書き込み」は、対応NDEFプロファイル共通の編集画面を使います。「レコード」と「名刺」のモード、既存内容を編集する「タグから読み込む」があり、内容が完成するまで「タグに書き込む」または「カードに書き込む」ボタンはグレーのままです。編集画面の詳細はNTAG 21xのページをご覧ください。

「タグを消去」は空のNDEFメッセージを書き込み、ユーザーメモリをゼロで埋めます。「NDEF形式でフォーマット」は、空のタグでNDEFを使うためのCapability Containerも書き込みます。工場出荷時に未フォーマットのタグや、別のアプリでデータが破損したタグには、一度この処理が必要です。どちらも変更するのはNDEFデータだけです。SLIX2ではカウンターのブロック79を変更せず、その旨を表示します。パスワード、保護、設定はそのままです。

タグのパスワード

このツールはICODE SLIX2用です。SLI/SLIXと汎用ISO 15693のプロファイルには、このパスワードコマンドはありません。

機能
用途別の32ビットパスワードが4つあり、それぞれ16進数8桁です。用途は読み取り、書き込み、プライバシー、EASとAFIです。新品のチップではすべてゼロです。各パスワードは対応するコマンドへのアクセスを制御します。通常のメモリチップのアクセス制御であり、暗号化ではありません。
変更後の動作
そのパスワードで保護されるコマンドが、変更後の値を受け付けるようになります。スマートフォンに見える内容は変わりません。
必要なもの
変更する各パスワードの現在の値
元に戻す方法
「永久にロック」で固定していなければ、再度変更できます。

パスワードの送信方法

4つの入力欄に、そのセッションで使用するパスワードを入力します。スキャン前に値を読み取ることはありません。入力した値を送り、チップが受け入れるか拒否します。チップは通信範囲から離れると送信済みパスワードを忘れるため、各ツールはコマンドと同じ通信内で必要なパスワードを送ります。確認画面には、そのSET PASSWORDの手順が先に表示されます。パスワードは入力順の4バイトとして、データシートの指定どおりチップの乱数でマスクして送ります。拒否されるとタグは通信範囲から離すまで応答しなくなるため、テスト失敗時にはその旨を表示して停止します。

入力欄の下の操作は、値を入力した欄すべてに適用されます。複数のパスワードを一度の操作で変更できます。

テスト

入力したすべてのパスワードを送り、それぞれ受け入れられたか拒否されたかを表示します。

変更

パスワードごとに新しい値の欄と「生成」が表示されます。入力したものを順番に認証して書き換えます。

永久にロック

パスワードごとにスイッチが表示されます。固定したパスワードは、以後変更できません。

プライバシーモードを有効化

プライバシーパスワードとENABLE PRIVACYコマンドを送ります。その後、タグはパスワード確認以外に応答しなくなるため、スマートフォンでは検出できず、このアプリでも戻せません。インベントリを行わずにタグと通信できる据え置き型リーダーだけが、プライバシーパスワードを送って復帰させられます。プライバシーパスワードを入力するまでボタンは無効です。「この操作は取り消せません」という確認画面が表示され、ボタンは「応答を停止」と表示されます。

タグのパスワード画面

保護

SLIX2には次の3つの操作があります。SLIまたはSLIXのプロファイルには、標準の「ブロックをロック」だけがあります。

ページを保護

機能
ユーザーメモリを、ポインターで指定したブロックの位置で2つに分けます。ポインターより前のブロックがページL、ポインター以降がページHで、それぞれ読み取りと書き込みの保護を設定します。ポインターを0にすると全体がページHになります。カウンターのブロック79は対象外です。
変更後の動作
保護後のページには、読み取りまたは書き込みのパスワードが必要になります。書き込み保護されたページへのパスワードなしの書き込みは拒否され、「読み取り」タブの「保護」に対象ブロックの範囲が表示されます。
必要なもの
設定時も解除時も、読み取りと書き込みの両方のパスワードが必要です。
元に戻す方法
「保護設定をロック」を適用していなければ、「ページを保護」ですべてのスイッチをオフにして再実行します。

ブロックをロック

1つのブロックをISO 15693標準の方法で永久にロックします。

保護設定をロック

ポインターとページの保護条件を永久にロックします。入力したポインターがチップに保存されている値と一致する場合だけ成功します。現在の値は「詳細スキャン」の「NXPシステム情報」で確認できます。

保護画面

AFIとDSFID

機能
AFIは1バイトのアプリケーションファミリー識別子です。リーダーがインベントリを絞り込むために使い、たとえば図書館のリーダーが小売店用のタグを無視できます。DSFIDは1バイトのデータ格納形式識別子で、データ形式の手がかりを示します。
変更後の動作
ファミリーコードで絞り込むリーダーには、新しいファミリーのタグとして認識されます。チップ上の他の内容は変わりません。
必要なもの
保護が設定されている場合は、EASとAFIのパスワードが必要です。
元に戻す方法
ロックしていなければ再度書き込めます。「AFIをロック」「DSFIDをロック」は恒久的です。
AFIとDSFIDの画面

EAS

機能
盗難防止用の応答機能です。EASがオンのとき、チップはゲートのEAS ALARMコマンドに固定の32バイト列で応答し、ゲートが警報を鳴らします。オフのときは応答しません。店舗のゲートはこのバイト列を監視します。
変更後の動作
「オンにする」と「オフにする」でモードを切り替え、タグがゲートに応答するかどうかを設定します。
必要なもの
「パスワードで保護」を適用した後は、EASとAFIのパスワードが必要です。それ以前は不要です。
元に戻す方法
「永久にロック」で固定していなければ、反対の状態に切り替えます。

チェック

EAS ALARMを送り、タグが32バイト列で応答すれば「オン」、応答しなければ「オフ」と表示します。

オンにする/オフにする

モードを有効または無効にします。

EAS IDを書き込む

選択的な警報用の16ビット識別子を保存します。ゲートは特定のタグだけに警報を鳴らせます。

パスワードで保護

オンとオフの切り替えに、EASとAFIのパスワードを必須にします。

永久にロック

状態とIDを永久にロックします。

EAS画面

読み取りタブに追加される情報

ICODEタグでは、「情報」カードに「EAS」が追加され、「保護」に保護対象のブロック範囲が表示されます。「詳細スキャン」には「NXPシステム情報」が追加され、保護ポインター、ページLとページHの条件、AFI、EAS、DSFID、保護の4つのロックビット、機能フラグワードを表示します。ICODE SLIX2の機能フラグワードは0x357Fです。

SLIX2の詳細スキャン

その他のICODEとISO 15693カード

SLIまたはSLIXの標準ツールを使うには、該当するプロファイルを選びます。その他のICODEやISO 15693チップでは、「カードの詳細」「メモリ」「構成」「Rawコマンド」で、カードが公開する情報を調べられます。

汎用プロファイルには「書き込み」「消去とフォーマット」「ブロックを編集」、ブロックロック用の「保護」、「AFIとDSFID」もあります。SLIX2のパスワードやページ保護は使えません。取得できる情報はチップと現在の保護状態によって異なります。ISO 15693フレームのアドレス指定は、Rawコマンドのガイドで説明します。

元に戻せない操作

操作固定されるもの
ブロックをロックそのブロック
保護設定をロックポインターと、ページLおよびページHの条件
AFIをロックアプリケーションファミリー識別子
DSFIDをロックデータ格納形式識別子
EASの「永久にロック」EASの状態とEAS ID
パスワードの「永久にロック」そのパスワード
プライバシーモードを有効化ロックではありませんが、以後はパスワード確認以外に応答しなくなるため、スマートフォンでは検出できません。インベントリを行わずにタグと通信できる据え置き型リーダーだけが、プライバシーパスワードを送って復帰させられます。このアプリではできません。